中古ブランド品の返品対応を続けていると、非常に判断が難しいケースに遭遇することがあります。
それが、
「発送時には確認されていなかった傷や破損が、返品のお申し出の際に確認されるケース」
です。

例えば、
・財布のお札入れやポケットの奥など、通常では見えにくい場所にインクのような汚れが付いている
・手縫いされていた糸の一部が切れている
・革に切れ目が入っている
・革が裂けたり、ちぎれたりしている
・金具や縫製部分が発送前とは異なる状態になっている
といったケースです。
もちろん、こうした状態が確認されたからといって、
「購入者が故意に傷を付けた」
と決めつけることはできません。
問題になるのは、
「その傷や破損が、いつから存在していたのか?」
ということです。
だからこそ「発送直前の記録」が重要です
商品ページに掲載している写真だけでは、商品のすべてを記録することはできません。
販売ページでは10枚、20枚と写真を掲載していたとしても、
財布のポケットの奥、札入れの内部、縫製、革の端、金具の裏側など、
細かな部分まですべて掲載することは難しいと思います。
そこで当社が重要だと考えているのが、
「出品用の商品画像とは別に、発送直前の商品状態を画像と動画で記録しておくこと」
です。
商品が売れたら梱包する前に、
・商品全体
・四隅
・表面、裏面
・財布やバッグの内部
・札入れやポケットの奥
・縫製部分
・革の端やコバ
・金具
・刻印やシリアル等
・付属品
などを、できるだけ細かく撮影しておきます。
さらに写真だけでは分かりにくい部分については、動画でも連続して撮影しておくと、発送時の状態を確認する資料になります。
「出品画像」と「発送前記録」は目的が違う
ここも非常に重要です。
出品画像は、お客様に商品の状態を伝えるためのもの。
一方、
発送前の画像・動画は、発送時点の商品状態を記録しておくためのもの。
目的が違います。
例えば返品のご相談で、
「縫製が切れていました」
と言われた場合。
発送直前の動画に、その部分の糸が正常につながっている状態が記録されていれば、
少なくとも発送前の時点ではどのような状態だったのかを確認する材料になります。
反対に、発送前の記録を見直して、
「確かに発送時から傷があった」
と分かることもあるでしょう。
その場合には、販売店側もその事実を認め、適切に対応する必要があります。
つまり発送前の記録は、
返品を断るためだけの証拠ではありません。
お客様の申告が正しいのか、販売店側の認識が正しいのかを、できるだけ客観的に確認するための記録なのです。
高額商品ほど「発送前チェック」を習慣化する
特にブランド品などの高額商品では、
「記憶では発送時に問題なかったと思います」
だけでは、後から確認することができません。
だからこそ、
記憶ではなく記録を残す。
これが非常に重要だと思います。
例えば発送前に、
① 商品全体を撮影
↓
② 内側・ポケットの奥まで撮影
↓
③ 縫製・革・金具をアップで撮影
↓
④ 商品を一周するように動画撮影
↓
⑤ 付属品を撮影
↓
⑥ 梱包前の状態を記録
↓
⑦ 一定期間データを保管
という流れをルール化しておくのも一つの方法です。


記録は販売店だけではなく、お客様を守るためにもなる
返品トラブルというと、
「販売者VS購入者」
のように考えてしまいがちですが、本来そうではありません。
大切なのは、
「発送した時」と「返品を申し出られた時」の状態を客観的に比較できること。
そのために販売店側が発送前の状態をきちんと記録しておく。
そして返品のご相談があった場合には、お客様にも現在の商品状態が分かる画像をご提供いただく。
発送前の記録
⇅
返品申請時の画像
この2つを比較することで、
「もともと存在していた傷なのか?」
「発送時にはなかった損傷なのか?」
「販売時の商品説明に含まれていた状態なのか?」
などを、一つずつ確認することができます。
返品について大切なのは、
最初からどちらかを疑うことではありません。
そして、
言った・言わないではなく、記録をもとに事実を確認すること。
当社では、これも中古ブランド品を扱う販売店として大切な返品対応の一つだと考えています。



